【どん&ビスコ】犬のいる生活が始まった。
人生史上、最も忙しかった2018年の夏。
結納、入籍、引越し、結婚式・・・
短期間に詰め込みすぎた。
8月の終わりに全てが完了し、妻と2人、新居での生活が始まった。
とはいえ、妻とは何年も同棲していたので、メンバー構成は変わらない。
新婚ながら馴れ合った関係、いつもと変わらない生活の中で、何かを一新したい気持ちもあったのかもしれない。
生後2ヶ月半の柴犬を迎え入れることになった。
名前は私が決めた。
「どん」
鹿児島弁で、軽い敬意を表す接尾語。
有名なのは、「西郷どん」
「西郷さん」という意味で、鹿児島弁では「西郷どん」と表現する。
相手の名前に「〜さん」「〜ちゃん」を付けるように、「〜どん」を付ける。
妻が鹿児島の人間で、一緒に帰省するうちに、私も鹿児島という地が大好きなっていた。
あともう一つ、幼い頃にアニメか漫画か何かで見た、「どん」と書かれた犬小屋の画を思い出した。
犬を飼うなら和犬、名前は「どん」、首輪やリードは唐草模様。
そんな独りよがりなこだわりに、妻は付き合ってくれた。
リビングにゲージを置き、数日間はゲージ内で過ごさせた。
我が家は共働きで、ゲージの中で落ち着いて留守番ができるようにと、ゲージに慣れさせるのが先決と考えた。
どんは、本当に大人しい子だった。
要求吠えや、興奮して走り回ったりすることが殆どない。
本当に子犬かと思うほど。
ただ、歯の生え変わり期の甘噛みと、トイレの失敗がひどく、やはり子犬だった。
所定の位置で排泄してくれず、引っ越したばかりで家を綺麗に保ちたい気持ちもあり、ひっきりなしに床を拭く日々。
トイレが成功して、撫でて褒めようとすると、手をガブッと噛まれる。
そんな繰り返しで、私は軽いノイローゼになっていた。
「もうこんな生活無理やわ」と、妻に嘆いたこともある。
どうにもこうにもできず、どんが生後4ヶ月半の頃、トレーナーの方に出張訪問してもらった。
好ましくない行動をした時の叱り方や、
沢山の犬と触れ合わせること、色んな物音を聞かせること等をアドバイスしていただいた。
やるべき事と、やってはいけない事の線引きを徹底すれば、犬は必ず成長する。
まだ改善しませんという2回目の相談はありえない。
あとは飼い主の問題。
と、はっきり言われたのを覚えている。
犬を飼うのは、そう簡単なことではなかった。