8月15日
今日は、ビスコ 2歳の誕生日。
ビスコが生まれる2週間前、妻の父が他界した。
義父が危篤と知り、1歳になったばかりのどんをペットホテルに預けて、妻の実家がある鹿児島に飛んでいった。
鹿児島に向かう新幹線の中での妻の顔を、今も忘れられない。
初めて見た顔だった。
実の父を亡くす気持ちを、私は味わったことがない。
約1万km離れた土地へ、一人娘を嫁に出す父の気持ちを、私は味わったことがない。
父娘関係は当人にしか分からないことではあるが、あの妻の顔は、どれだけ頑張っても私には真似ができない顔だ。
無論、ビスコは義父に会ったことがない。
ビスコが生まれる2週間前に義父が他界したのだから。
それでもビスコは、義父の何かを受け継いでいる気がする。
私がふざけて妻にちょっかいをかけようもんなら、ビスコは私に向かって吠えてくる。
「〇〇が嫌がることをするな!」 と言わんばかりに。
ビスコは、どんの次に妻のことが好きだ。
毎日一緒に暮らす私がそう思うのなら、それは間違いではない。
妻は、母さんの次に父さんが好きなはずだ。
あの顔を見た私がそう思うなら、それは間違いではない。
毎年8月2日、8月15日に思うことが沢山ある。
お義父さんに思うこと、ビスコに思うこと、妻に思うこと、ご先祖様に思うこと・・・
ただ両手を合わせるだけでは伝えられない溢れる想いが、私にとっての明日の動力だ。